加工機に求められる出力数や、加工機サイズ、集塵脱臭機の容量などについては、お客様のご利用環境、素材、連続加工時間や、求める加工速度などにより大きく変化します。仮に同じ素材を加工する場合であっても、加工データのサイズ、彫刻密度、加工の深さなどにより、加工条件が変化する為です。
以下に、お客様からのお問合せの多い項目についてポイントをまとめました。
レーザー発振器は最低10ワットから最高120ワットまでご用意があります。各サイズの加工機に、お客様のご希望の出力の発振器を装着していただくことが可能です。 出力を倍にした場合、切断可能な厚みも倍になると一般的には思われがちですが、加工する素材によってその加工厚は変化しますので、一概に倍になるとは言えません。ご参考までに下記の表をご覧ください。素材毎で出力を上げた場合の加工可能厚みの差に違いが見られることが分かります。最終的にご購入を決断される前に、弊社にてサンプル加工を実施していただくことをお勧めいたします。
  | 
    10W  | 
    25W  | 
    50W  | 
  
アクリル  | 
    4mm  | 
    8mm  | 
    12mm  | 
  
硬質木材(チェリー、メイプル、ウォルナッツ)   | 
    4mm  | 
    7.5mm  | 
    10mm  | 
  
軟質木材(バルサ、松)  | 
    6mm  | 
    9.5mm  | 
    13mm  | 
  
ゴム  | 
    3mm  | 
    3mm  | 
    6mm  | 
  
皮革  | 
    3mm  | 
    5.5mm  | 
    6.5mm  | 
  
※表内のデータは、出力を最大に設定し加工速度を極限にまで下げた場合の加工厚です。
天然素材の場合、加工する箇所によって硬さが変化する為、加工可能な厚みが変わることがあります。
また、お客様の求める加工面の品質によってもこの最大切断可能厚は変わります。
表内のデータは弊社加工の参考値であり、加工の性能を保証するものではありません。
速い加工速度を求める場合、発振器の出力を2倍に上げることで理論上は加工速度を2倍に上げることが可能です。しかし、実際の加工時間は半分にはなりません。これは、加工するデータによりレーザーのヘッドの移動方法や速度が異なる為です。移動方法の違いに関して、ベクターとラスターの違いをご確認ください。
購入前に詳しい加工時間の確認をご希望される場合は、弊社までご連絡いただきサンプル加工をさせていただくか、レンタルのご利用をご検討ください。
集塵脱臭機は、加工機の次に高価な設備であり、加工機の性能を左右する重要な設備です。弊社では、お客様の使用環境を充分にヒアリングし、最もコストパフォーマンスの良い集塵脱臭機をご提案さしあげています。
噴煙・粉塵・臭気の対策は、レーザー加工中に最も気になる部分です。加工機を店舗など、お客様に接する場所でご利用される場合は一層の臭気対策が必要となります。また、ゴム印加工の場合、非常に多くの粉塵と臭気が発生します。通常の噴煙とは異なりレーザー加工で発生する噴煙は時間が経っても揮発することはありませんので仮に体内に吸引された場合、その後ずっと体内に残ってしまう場合もあります。その状態を長期間続けると健康に影響が出る可能性も否定できません。
また、この集塵対策が不十分で加工機内に粉塵が残り、加工機の精度を狂わせることや、最悪の場合は加工機の故障にもつながることもあります。よって、この集塵脱臭機、及び集塵脱臭機まわりの設置方法については万全の対策をとることをお勧めいたします。
集塵脱臭機必須 :  | 
ゴム、プラスチック  | 
集塵脱臭機推奨 :  | 
紙、革、木材、布  | 
簡易集塵脱臭機 :  | 
ブロアー推奨:金属、ガラス、石、タイル  | 
エアーシステムの利用は、レーザー加工において非常に重要なポイントの一つです。
エアーを使う主な理由は、以下のとおりです。
1.	防火対策
2.	より良い加工結果の追求
3.	粉塵対策
エアー必須 :  | 
プラスチック、紙、革、木材、ゴム、布  | 
エアー推奨 :  | 
ガラス、石、タイル  | 
レンズの違いは、絵を描く場合の筆の違いに概念が似ています。レンズが違うと素材に接する部分の面(スポット径)の大きさと、ビームの長さが異なります。それにより、切断に最適なレンズ、彫刻に最適なレンズなどそれぞれ特徴があります。また、素材によっても、反応が変わりますので、最適な結果をお求めの場合、弊社にてサンプル加工を実施することをお勧めします。
以下の写真は、それぞれのレンズを用いてアクリルに写真彫刻を行った場合の違いを示したものです。よりスポット径の小さいレンズで彫刻した画像の方が、鮮明に加工できていることが判ります。
一般的に、木材など柔らかい素材は2インチレンズが適しています。
ゴム印や細かい画像データなどの彫刻は1.5インチレンズが適しています。
写真データの彫刻・マーキングや金属へのマーキングは、HPDFOレンズが適しています。