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レーザーの能力

ベクター加工とラスター加工の違い

ベクターモードとは、レーザービームがベクターグラフィックの外形線に沿ってラインをトレースするように加工するモードです。
一方、ラスターモードとは、レーザービームが塗りのデータに対して、スキャン(水平走査)しながら、塗りのデータを加工するモードです。
塗りやビットマップのデータは、自動でラスターのデータとして認識されます。

スポット径について

※木材など、ビームを吸収しやすい素材は素材照射後にビーム径が約2倍に膨らみます。
微細な加工を行う場合は、この膨らみを計算してデータを作成することが必要になります。

レーザー出力と加工速度の関連性

速度と出力の設定は互いに正比例の関係にあります。同じ加工結果を求めるとして、加工速度を上げた場合は出力も上げる必要があります。(例:加工速度を2倍に上げた場合は、加工速度も2倍)

速度や出力により加工面の仕上がりが異なります。その為、より質の高い仕上がり具合を追求する為に、ユーザーそれぞれが出力と速度については独自に最適な設定値を追い求めています。

同じ出力で速度を変えた場合 同じ速度で出力を変えた場合
左:出力100% 速度1%
右:出力100% 速度10%
(VLS 30W)
左:出力100%/30W 速度1%
右:出力50%/30W 速度1%
(VLS 30W)

出力と加工可能厚みの関係

出力により切断の可能な素材の厚みが変わります。下記は、弊社にて各出力で素材毎に切断厚みを確認した際のデータです。
木材や皮革などの天然素材は、個体毎に硬さなどに変化があるため一概には加工可能厚みとすることができませんので、実際に加工される場合は下記のデータを参考に出力を調整することをお勧めいたします。

 

10W

25W

50W

アクリル

4mm

8mm

12mm

硬質木材(チェリー、メイプル、ウォルナッツ)
中間質木材(アルダー)

4mm

7.5mm

10mm

軟質木材(バルサ、松)

6mm

9.5mm

13mm

ゴム

3mm

3mm

6mm

皮革

3mm

5.5mm

6.5mm

Image Density(DPI)と加工時間の差

マテリアルデータベース上で、Image Density(DPI)という設定値を調整することにより、解像度を変更することができます。
DPIとは、Dot Per Inchのことで、レーザーのヘッドが1インチあたり何往復するかということに関わってきます。
最大1000dpi(設定値6)で、最低では83dpi(設定値1)になりますので、ヘッドの動く回数が劇的に変わります。結果として、加工時間が大きく変わることになりますが、加工結果にも大きな違いが出てきます。
お客様の求める品質により、最適な設定値を決定するのが良いでしょう。

DPI = 1 DPI = 3 DPI = 6
加工時間 : 20秒 加工時間 : 47秒 加工時間 : 2分51秒

上の写真は、2センチ角のフォントをそれぞれのImage Density設定値で加工した際の加工結果と、加工時間を示したのです。
Image Densityの低い方が加工が粗い一方、加工時間が大幅に少ないことが判ります。

PPIの違いについて

PPIとは、Pulse Per Inch(インチあたりパルス数)のことで、レーザーが1インチあたり何回射出されるかを10〜1000の範囲で決定することができます。
PPIの設定値は、加工時間には影響しませんが、切断時の品質に関わる設定になります。
ベクター加工時は、ラスター加工に比べ比較的遅いスピードで加工していきますので、材料に対する熱の影響が大きくなります。PPIの設定を上げると熱が集中して材料が燃えやすく(溶けやすく)なります。

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